今回は、開発現場で基本設計書(画面仕様書)を作成する中で悩んだ点を、メモ形式でまとめました。この記事を読むことで、初心者でも基本設計書(画面仕様書)に書く内容と書き方がわかるようになると思います!
基本設計書(画面仕様書)
基本設計書(画面仕様書)にはシート別に下記の内容を記載していきます。
シート名 | 内容 |
---|---|
1. 改訂履歴 | 改訂日、改訂者、改訂内容など。履歴として必ず記載します。 |
2. 画面レイアウト | 画面の構成図(ワイヤーフレーム、スケッチ、ツール画像など) |
3. 画面仕様書 | 各UI部品の仕様(項目名称、項目種類、属性、桁数、書式、必須、説明など)を記載します。 |
4. 入力制御仕様(任意) | 入力チェック内容 (必須チェック、桁数制限、形式チェックなど) |
開発現場によって異なるとは思いますが、基本はExcelで作成することが多いかと思います。この記事では基本となる、改訂履歴〜画面仕様書について説明したいと思います。
改訂履歴
No | 改訂日 | 作成者 | 改訂内容 |
---|---|---|---|
1 | 2025/5/31 | 平野 | 【顧客管理画面】 新規作成 |
改訂履歴シートには誰が・いつ・どんな変更を加えたかを記録します。
画面レイアウト

画像取得元:kintone 調達・購買チームでの利用イメージ
※画面レイアウトシートの説明のため使わせていただいています

画面レイアウトシートには下記の内容を記載します。
項目名 | 説明 |
---|---|
画面ID / 名称 | システムで一意になる画面IDと名称を記載。 CM001 / 顧客管理 |
画面の概要 / 目的 | この画面で何を行うのか、主な機能や用途の説明(例:ユーザー情報の検索・一覧表示・編集など) |
画面レイアウト | ワイヤーフレームやUI設計図の貼り付ける |
遷移 | この画面にどこから遷移してきたか(遷移元)、またはどの画面へ遷移するか(遷移先)を記載。遷移図との連携を意識 |
備考 | 補足情報や特殊な制御・注意点などがあれば記載 |
画面仕様書
画面仕様書シートは、画面レイアウトの内容に対して項目名称、項目種類、属性、桁数、形式、必須、説明などを記載していきます。

No | 項目名称 | 項目種類 | 属性 | 桁数 | 書式 | 必須 | 説明 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | レコード番号 | ラベル | 9 | 10 | 登録時に自動連番で採番される。編集不可。 | ||
2 | 作成者 | アイコン ラベル | X | 50 | 氏名+アイコン | アイコンから選択。 | |
3 | 作成日時 | ラベル | N | 19 | YYYY-MM-DD hh:mm | 登録時の日時を自動設定。編集不可。 | |
4 | 更新者 | アイコン ラベル | X | 50 | 氏名+アイコン | 更新時のユーザーアイコンから選択。 | |
5 | 更新日時 | ラベル | N | 19 | YYYY-MM-DD hh:mm | ||
6 | 顧客名 | テキスト | X | 50 | ○ | 会社・法人名などを入力。 | |
7 | 部署名 | テキスト | X | 50 | ○ | 所属部署名を入力。 | |
8 | 担当者名 | テキスト | X | 50 | ○ | 担当者のフルネームを入力。 | |
9 | 郵便番号 | テキスト | 9 | 7 | XXXXXXX | ○ | ハイフンなしで入力。 |
10 | 住所 | テキスト | X | 100 | ○ | 番地・建物名も含めて入力可。 | |
11 | TEL | テキスト | X | 13 | XXX-XXXX-XXXX | ○ | 半角ハイフン含む形式。 |
12 | FAX | テキスト | X | 13 | XXX-XXXX-XXXX | 半角ハイフン含む形式。 | |
13 | メールアドレス | テキスト | X | 100 | 英数記号を含むメール形式で入力。 |
項目名称
項目名称は、画面に表示している項目名を記載します。
項目種類
項目種類は、画面に表示されているものがどんなものなのかを記載します。
項目種類 | 説明 |
---|---|
🏷️ ラベル | 画面に表示される文字列。入力不可。 |
✏️ テキスト | 1行の文字入力欄。名前や住所、金額など自由に入力できる入力項目。 |
📝 テキストエリア | 複数行の文字入力欄。備考などに使用。 |
☑️ チェックボックス | 複数選択が可能な入力項目。 |
🔘 ラジオボタン | 選択肢から1つだけ選べるボタン。 |
🔽 ドロップダウン(セレクトボックス) | リストから1つ(または複数)選択する形式。 |
🔘 ボタン | クリック操作で処理を実行するボタン。 |
🔗 リンク | リンクのついた文字列をクリックした時に、他画面や外部ページに遷移するための項目。 |
👤 アイコン | アイコンをクリックした時に、他画面や外部ページに遷移するための項目。 |
属性
属性は、どんな種類のデータが入るのかを明確にするために記載します。
属性 | 意味 | 一般的な定義 |
---|---|---|
9 | 半角数字(整数) | 数字のみ(0〜9) |
N | 数値(符号・小数点あり) | 小数点やマイナス符号も含む数字形式(Numeric) |
X | 文字列(何でも) | 文字・記号・数字を含めた全ての文字 |
※上記の表が一般的な定義になるみたいですが、開発現場によって異なります
桁数
桁数は、画面に表示される最大文字数。またはバイト数で記載します。
単位 | 説明 | 一般的な使い分け |
---|---|---|
文字数(=文字単位) | 見たままの1文字あたりを数える。例:「あ」=1、「A」=1 | UIや画面仕様書でよく使われる。 |
バイト数(=データ量) | 文字コードに応じて1文字あたりのサイズが変わる。例:「A」=1バイト、「あ」=2~3バイト | データベースや通信フォーマット設計で多い。 |
書式
書式はシステムが出力するデータや表示する情報の形式を定義するために記載します。
書式の種類 | 書式 | 用途 | 補足 |
---|---|---|---|
日付 | YYYY/MM/DD | 登録日、誕生日など | YYYY-MM-DD などもあり |
日時 | YYYY/MM/DD hh:mm | 更新日時、予約日時など | 秒付き → YYYY/MM/DD hh:mm:ss |
数値(整数) | 9 または 99999 | 金額、ID、在庫数など | 桁区切りなしが一般的 |
数値(小数) | 9.99 または #,##0.00 | 割合、価格など | 小数点以下の桁数も指定 |
通貨 | ¥1,000 / $1,000.00 | 金額表示 | 通貨記号+カンマ区切り |
郵便番号 | 999-9999 | 住所入力 | ハイフンの有無を指定することも |
電話番号 | 000-0000-0000 | 連絡先 | 固定・携帯で異なるパターン |
メール | aaa@example.com | メールアドレス | 形式チェックが必要 |
パスワード | 英数字8〜16文字 | ユーザー認証 | 文字種(英数・記号など)指定あり |
カナ | 全角カタカナ | フリガナ | 半角不可など制限あり |
コード | A001 , C-1234 | 商品コードなど | 英数字+記号の組み合わせあり |
※これも開発現場によって異なります。私が今いる開発現場は、数値の書式にはZZZやZZ9を使用しています。
Z
:ゼロ抑制(ゼロを空白にする)数値がない場合は空白になります。
9
:ゼロ埋めあり(常に数値桁として表示される)値がない場合は0
になります。
必須
必須は入力時に必須で登録しないといけないものに、○をします。また、条件付き必須※は△で記載することもあります。
※条件付き必須はある特定の条件で必須になるものです
項目 | 条件 | 必須 |
---|---|---|
メールアドレス | 常に | ○(必須) |
電話番号 | 「連絡方法」で「電話」を選んだ場合 | △(条件付き必須) |
説明
説明は、備考として必要に応じて記載します。
まとめ
基本設計書は要件定義のあとに作成する資料で、プロジェクトや現場によってフォーマットや書き方に違いがあります。私自身、初めて書くときにかなり悩んだので、この記事が「とりあえずどんなふうに書けばいいのか?」のヒントになればうれしいです!
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