今回はSES(客先常駐)で働いている3年目の私が、リアルな実体験をもとに「SESはやめとけ」と言われる理由について考えてみました。これからエンジニアを目指す人、転職しようとしている人の参考になれば幸いです。
SESが「やめとけ」と言われる理由
ネットでもよく言われる通り、多くの人がSESをすすめない理由は以下です。
- 自社の仲間がいない(孤独)
- 現場ガチャが激しい
スキルアップが難しい- 給料が上がりにくい
- メンタルが削られやすい
このあたりは実際に働いてみて「スキルアップが難しい」以外ほぼその通りだと感じました。
自社の仲間がいない(孤独)
自社の仲間がいれば安心できる。ということでもないのですが、孤独なことは間違いないです。私は今の開発現場が2件目で、1件目は自社の仲間と共に客先常駐を1年ほど一緒に働いていました。良いことも悪いこともあったのですが、自社の仲間と案件先に入れたからこそ「帰属意識」があったんだと思います。今は、2件目の開発現場ですが、1人で入ってもうすぐ2年が経とうとしています。
あれ?自社っていったい…
これじゃあフリーランスの働き方と変わらないんじゃないかな?と思う時もあったぐらいです。
現場ガチャが激しい
これは間違いないと思いますが、幸いなことに私は1件目の現場、2件目の現場共に当たりでした!
何が良かったのかと言うと「人間関係が良好」だったことや「技術を学べる環境」がそこにはあったからです。
スキルアップが難しい
開発現場によってはスキルアップが難しいのは事実ですが…開発現場によるかと思います。
開発経験が浅かった私にとって、1件目の開発現場はロースキル案件でした。
やったこととしては、既存のWebシステムをローコードツール(OutSystems)で作り替える作業で、以下のような一連の流れを経験しました。
- 既存システムの調査
- 基本設計書の作成
- 詳細設計書の作成
- 製造(実装)
- 単体テスト仕様書の作成とテスト実施
- 結合テスト仕様書の作成とテスト実施
既存のWebシステムはJavaで作られており、プログラミングをゴリゴリするのかな?っと思っていたのですが、コードをゴリゴリ書くことはなくスキルアップという点では物足りない部分もありました。
しかし、設計からテストまで一通りの流れを経験できたのは、後の現場で役立つ貴重な経験でした!
2件目の開発現場では、既存のWebシステムの改修作業を担当しており、ここでも主にJavaを使っています。1件目の現場で経験した作業が、そのまま役立っていてスムーズに仕事を進める基礎になったという実感があります。
あくまで私の場合ですが、着実にステップアップしています。
給料が上がりにくい
どれだけ頑張っても給料が上がりにくい。それがSESです。
理由としては、
- 契約単価に依存している:SESは会社の利益が契約単価から決まるため、個人の頑張りだけでは給料に反映されにくい。
- 評価制度が曖昧:開発現場での評価は現場リーダーに左右されることが多く、自社からの正当な評価を受けることが難しい。
- 昇給のタイミングが少ない:年1回の査定や定期昇給しかなく、実力を反映させづらい。
私自身、開発現場で一通りの作業をこなしスキルも積んできましたが、給料は入社した時からそれほど変わっていません。これはSES特有の「成果と給与が直接結びつきにくい」構造のせいです。
給料を手っ取り早く上げるなら結論『転職』しかない。と思います。
メンタルが削られやすい
開発現場による部分もありますが、スキルが十分でない状態で難しい案件にアサインされると、確実にメンタルを削られます。
- 上司や先輩に頼りたくても、サポートが十分でない場合もある
- 経験不足からミスを連発して自己肯定感が下がる
- 現場のプレッシャーや納期の厳しさでストレスが増す
私自身も経験しましたが、SESは「現場次第で天国にも地獄にもなる」働き方だと痛感しています。1件目の開発現場で、炎上して残業時間が80時間を超えた時には夢の中でも働いていました。
客先常駐3年目のリアル
SESでの客先常駐も3年目になり、自分のキャリアを真剣に考える時期だと感じています。
- スキルをもっと伸ばせる現場に移るのか
- 自社開発や受託開発に転職するのか
- フリーランスとして独立するのか
どの道を選ぶにしても、重要なのは自分の市場価値を見誤らないことだと思います。日々の業務でしっかりと学んだことをアウトプットしつつ、情報収集→タイミングを見て転職や独立を判断する。
3年目のSEは何ができることが正解なのだろうか…自分の武器とはいったい…悩める3年目のリアルです。
SESでつらいこと
評価されている気がしない。「できる」が前提。
客先でどれだけ頑張っても、自社からの評価が曖昧で全く評価されていないと感じることがありました。
- 客先では、技術的なことができるのは「当たり前」と見なされる
- 成果を出しても、給与や評価に直接反映されにくい
- 頑張っても認められない感覚が続くと、モチベーションが下がる
SESでは、頑張りと評価が必ずしも比例しないという現実がつらいところです。
逆にSESでよかったこと
嫌なら現場変更という選択肢がある
SESの最大のメリットのひとつは、嫌な現場から逃げられる可能性があることです。
- ブラックな開発現場や自分に合わない環境に長く留まる必要がない
- 自分のスキルやキャリアに合った開発現場に移れるチャンスがある
- 開発現場次第で、天国のような環境に出会えることもある
これはSESの大きな切り札であり、開発現場次第でキャリアもメンタルも大きく変わります。
もちろん運の要素はありますが、自分から動くことで状況を変えられる点は魅力ですよね。
とはいえ、私はこの最大の切り札をまだ使ったことがありません。感謝!
SESが向いている人・向かない人
SESに向いてる人、向かない人がいると思います。私はどちらかと言えば向かない人なのかな。っと思っているのですが、SESを頑張ってます。
向いている人
- どこでもすぐ馴染めてコミュ力が高い
- 環境の変化が苦にならない
- 1つの会社に縛られたくない
- 未経験からとにかくIT業界に入りたい
向かない人
- 人間関係をじっくり築きたい
- 1つの職場で腰を据えて働きたい
- スキルを計画的に伸ばしたい
まとめ
「自社の仲間と働きたい」「安定した環境で働きたい」という人には、受託開発・自社開発の方が向いていると思います。とはいえ、未経験からエンジニアとしてキャリアを作る入口としては、SESは十分ありだと私は感じています。
「スキルアップ」に関しては現場による部分が大きいですが、自分で学ぶ姿勢さえあれば成長できる環境は必ずあります。まずはどこでもいいので開発現場に入り、設計からテストまで一連の流れを経験して、そこからどんどんステップアップしていきましょう!
