日本国内で重要なデータのやり取りにフリーWi-Fiを利用する場合、通信セキュリティに不安を抱える人は多いです。インターネット利用における安全性を解決する手段として、個人向けVPNサービスが大きな注目を集めています。今回の記事では、個人向けVPNサービスの基本的な仕組み・メリット・デメリット・選び方のポイントをまとめました。
本記事を読めば、「自分の利用目的に最適なVPNサービス」「どのように活用すればよいのか」などがわかります。まずはVPNの基礎知識をしっかりと学び、より安全で快適なインターネット環境を構築するための第一歩を踏み出しましょう!
日本で利用できる個人向けVPNサービスの必要性とは
VPNとは通信の暗号化によってインターネット上のセキュリティを確保し、個人のプライバシーを保護できる技術です。
日本で利用できる個人向けVPNサービスの必要性は、以下のとおりです。
- フリーWi-Fiを安全に利用
- 海外の動画配信サービスを視聴
どのようなシーンで個人向けのVPNサービスが必要になるのかを把握し、インターネット環境の見直しを行いましょう。
フリーWi-Fiを安全に利用
外出先などで利用するフリーWi-Fiの通信を保護するうえで、VPNはセキュリティ向上にかかせません。
カフェ・駅・ホテルなどのフリーWi-Fiの一部は通信が暗号化されておらず、セキュリティリスクにさらされています。
そのため、悪意のある第三者によって通信データが盗聴・改ざんされ、個人情報が漏えいする可能性があります。
しかし、VPNでは通信が暗号化されるため、どこのフリーWi-Fiでも気兼ねなく安全に利用できるのが利点です。
海外の動画配信サービスを視聴
VPNを活用すれば地域制限を回避し、日本国内からアクセスできない海外の動画配信サービスの視聴が可能になります。
たとえば、以下のような海外の動画配信サービスを日本国内から視聴できます。
サービス名 | 本拠地・主要国 | サービスの特徴 |
Crackle | アメリカ | ソニー傘下で立ち上げられた無料ストリーミングサービス・映画やオリジナル番組を提供 |
Peacock TV | アメリカ | NBCユニバーサルが運営・人気ドラマや映画・スポーツ配信に強み |
Showtime | アメリカ | ケーブル局発の配信サービス・オリジナルドラマや映画ラインナップが豊富 |
SkyShowtime | ヨーロッパ各国 | SkyとParamountの合弁による配信・欧州を中心に映画やシリーズ作品を展開 |
OceanVeil | グローバル(アニメ配信) | アニメを中心とした国際向け配信サービス・日本以外を主要対象に展開 |
ほかに、現地だけのローカルな動画視聴サービスなどにアクセスできるため、スポーツ観戦でもよくVPNは利用されます。
個人向けVPNサービスを利用するメリット
個人向けVPNサービスを利用するメリットは、以下のとおりです。
- セキュリティ・プライバシーの強化
- 地域制限コンテンツへのアクセス
- 付加機能によるデバイスのセキュリティ向上
それぞれのメリットを理解し、VPNサービスが自分の環境で活用できるかどうかを検討しましょう。
セキュリティ・プライバシーの強化
個人がVPNを利用すると、セキュリティとプライバシーを飛躍的に向上できるのが最大のメリットです。
VPNは利用者とインターネットの間に仮想的な専用線を構築し、トンネル内を通過するデータをすべて暗号化する仕組みです。VPNの暗号化技術によって、第三者が通信内容を傍受しても意味のある情報の解読は極めて困難になります。
さらに、VPNは利用者に対してVPNサーバーのIPアドレスを割り当てるため、プライバシー保護につながります。
利用者のIPアドレスからわかる情報を、以下の表にまとめました。
項目 | 内容 |
国・地域 | 接続元の国や市区町村レベルまで判定できる |
ISP(プロバイダ) | 利用している通信事業者がわかる |
ASN | ネットワークを管理する組織の識別番号 |
ホスト名 | 逆引きDNSからサーバー名やドメイン名がわかる場合がある |
ネットワーク種別 | 固定回線・モバイル・データセンターなどの判別が可能 |
緯度・経度 | データベースからおおよその位置が推定される |
上記のような情報がWebサイトやトラッカーなどに追跡されず、プライバシーを守りながらインターネットを楽しめます。
地域制限コンテンツへのアクセス
VPNサービスを利用すれば、地理的な制約でアクセスできない海外のコンテンツも楽しめるようになります。
VPNを利用すると、世界中に設置されたVPNサーバー所在国のIPアドレスに変更できる仕組みだからです。
多くの動画配信サービスは「ジオブロッキング」技術で、特定の国からのアクセスのみを許可しています。
たとえば、海外限定配信の映画やドラマを視聴しようとしても、日本のIPアドレスではアクセスできません。
そこで、VPNでコンテンツ配信国のサーバーに接続すると、利用者は現地からアクセスしていると認識されて視聴可能となります。
付加機能によるデバイスのセキュリティ向上
近年の高機能なVPNサービスは通信の安全性を確保し、デバイス自体を保護する多様な付加機能も提供しているのが魅力です。
一例をあげると、多くの有料VPNは、マルウェアが潜むコンテンツへのアクセスを未然に防止する機能を標準で搭載しています。
ほかに、「不正な広告をブロック」「マルウェアの侵入を阻止」といった機能が備わっているVPNサービスもあります。
キルスイッチは、VPN接続が切断されたときにインターネット通信を自動で遮断する仕組みで、近年では一般的に提供されている機能です。
付加機能によるデバイスのセキュリティ向上で、安全かつ快適なインターネット環境を実現しましょう!
個人向けVPNサービスを利用するデメリット
個人向けVPNサービスを利用するデメリットは、以下のとおりです。
- 通信速度の低下
- サービス利用料金の負担
- アプリの設定・操作の手間
通信速度の低下や料金負担といった欠点を正しく把握したうえ、VPNサービスを自分の環境にあわせて慎重に選びましょう。
通信速度の低下
個人向けのVPNサービスを利用するとき、通信速度が低下するのが大きなデメリットのひとつです。
VPNではデータを暗号化する処理にくわえ、物理的に離れたサーバーを経由してインターネットに接続します。
そのため、通常と比較して速度が低下する傾向にあり、動画視聴やオンラインゲームのプレイに影響を与える可能性があります。
快適な利用を求めるならSNSでの口コミや第三者機関の検証を確認し、通信速度に定評があるVPNサービスを選びましょう。
サービス利用料金の負担
高品質な個人向けVPNサービスを利用する場合、月額または年額のコストが発生するのもデメリットです。
安全なサーバーの維持や開発には費用がかかるため、多くの信頼できるVPNサービスは有料で提供されています。一般的には月額数百円から数千円がVPNサービスの費用相場で、長期契約すると料金が大幅に割引されるケースが多いです。
なお、利用者の個人情報を第三者に販売する無料VPNも多いため、プライバシーを重視するなら有料がおすすめです。
アプリの設定・操作の手間
VPNサービスの利用を開始するとき、専用アプリのインストールや初期設定といった手間が生じるのはデメリットです。
どの有料VPNでも、パソコンやスマートフォンなど、利用したいデバイスごとにアプリを導入してログインする必要があります。ただし、VPNアプリは直感的に操作できるよう設計されており、インストールも簡単で数分程度で作業は終わります。
あらかじめアプリのインストール手順を公式サイトで確認しておき、スムーズなVPNの導入を目指しましょう。
個人向けVPNサービスの選び方のポイント
個人向けVPNサービスの選び方のポイントは、以下のとおりです。
- セキュリティ・信頼性
- ノーログポリシー
- 通信速度・安定性
- 対応デバイス
- 同時接続数
- サーバー数・設置国数
- 料金
セキュリティ・信頼性・通信速度、料金体系など多様な視点から比較検討し、最適なVPNサービスを見極めましょう。
セキュリティ・信頼性
VPNを選ぶうえでもっとも重視すべきは、通信を保護する強固なセキュリティと運営会社の信頼性です。
VPNサービスを選定するときは、暗号化技術の業界標準である「AES-256」方式を採用しているか確認しましょう。
また、安全性が高い最新のVPNプロトコルである「OpenVPN」「WireGuard」への対応も重要な判断材料です。
さらに、「運営会社の設立年数や評判」「第三者機関によるセキュリティ監査」なども参考にしつつ選ぶのがポイントです。
ノーログポリシー
利用者のプライバシーを最大限に保護するには、ノーログポリシーを掲げるVPNサービスを選ぶのが不可欠です。
ノーログポリシーとは、利用者の通信に関する記録をVPN事業者が一切保存しないという方針を指します。もしVPN事業者がログを保持している場合、利用者のプライベートな情報が外部に漏えいするリスクがあります。
ノーログポリシーの遵守を独立した第三者監査機関によって客観的に証明しているのが、信頼性の高いVPNサービスです。
契約前にはVPNサービスの公式サイトの規約を熟読し、ノーログポリシーが徹底されているか確かめましょう。
通信速度・安定性
VPNをさまざまなシーンで快適に利用し続けるためには、通信速度の速さと接続の安定性が極めて重要な要素です。
VPNはサーバーを経由して暗号化プロセスを挟むため、構造上どうしても通信速度が低下する傾向にあります。
動画視聴やオンラインゲームを快適にプレイするためにも、できるだけ通信速度の低下しないVPNサービスを選ぶ必要があります。
多くのVPNサービスには30日間返金保証があるため、一度試しに使ってみて実際の通信速度を確かめるのがおすすめです。
また、口コミ・評判を参考にして、通信速度に定評のあるVPNサービスを絞り込むのも有効な方法です。
対応デバイス
自分がVPNを利用したい全デバイスで使えるよう、対応OSや機器の種類を事前にチェックする必要があります。
多くの有料VPNでは、Windows・macOS・Android・iOS・Linuxなど多様なOSへ対応しています。
しかし、スマートテレビ用デバイス・家庭用ゲーム機などで利用したい場合には、対応しているかどうかに注意が必要です。
自分が利用しているデバイスを一覧にして、有料VPNの公式サイトでアプリが対応しているかどうかを確認しましょう。
同時接続数
ひとつのアカウントで複数のデバイスを同時に保護したい場合、VPNサービスの同時接続可能台数が重要です。
現代では、個人がパソコンやスマートフォンなど複数のデジタル機器を所有し、使い分けるのが当たり前だからです。
たとえば、同時接続数が10台のVPNサービスを契約し、自分と家族でアカウントをシェアすると経済的にもメリットがあります。
また、なかには同時接続数を無制限としているVPNサービスもあり、所有台数を気にせず利用したい人には最適です。
まずは自分や家族が保護したいデバイスの総数を把握し、十分な同時接続数を持つVPNサービスを選日ましょう。
サーバー数・設置国数
VPNサービスが保有するサーバー・設置国数は、接続の安定性や地域制限回避などの利便性に影響する大切な要素です。
利用可能なサーバー台数が多いほどユーザーの負荷が分散され、高速で安定した通信環境が期待できます。
また、サーバーが世界中のさまざまな国に設置されていると、海外の地域限定コンテンツへの選択肢が格段に広がります。
もし特定のコンテンツの利用が目的なら、該当する国にサーバーが設置されているかどうかをあらかじめ確認しましょう。
料金
VPNサービスの利用料金は、機能の充実度やセキュリティとのバランスを考慮し、総合的なコスパで判断すべきです。
無料VPNの多くは通信速度が遅かったりセキュリティが脆弱だったりするため、基本的には推奨されません。
信頼できる有料VPNの場合、料金相場は月額数百円から千円程度で、長期契約で割引になるのが一般的です。
多くの優良なVPNプロバイダは30日間程度の返金保証期間を設け、利用者はリスクなく使用感を試せます。
目先の価格の安さだけで即決せず、長期的な視点を持って自分のニーズに最適なVPNサービスを見極めてください。
個人向けVPNサービスならコスパのよいNordVPNがおすすめ!
料金(税込み) | 2年プラン:370円/月 1年プラン:620円/月 1か月プラン:1,620円/月 |
サーバー数/国数 | 7,400台以上/118か国 |
ノーログポリシー | ◯ |
通信速度 | ◯ |
同時接続台数 | 10台 |
カスタマーサポート | 365日24時間対応公式サイト・アプリが日本語対応メール・ライブチャット |
公式サイト | https://nordvpn.com/ja/ |
多くの個人向けVPNサービスのなかでも、コストパフォーマンスを重視するならNordVPNが非常におすすめです。
NordVPNは手ごろな価格設定でありながら、高速通信や強固なセキュリティといった高品質なサービスを提供しています。
また、世界中に多数のVPNサーバーを設置しており、海外コンテンツを視聴するときの選択肢が広いのが特徴です。
実際に、どのような国にVPNサーバーが設置されているかは「VPNサーバーの所在地」をご確認ください。
たとえば、2年契約を選択すれば月額料金を数百円台に抑えられるうえ、以下のようなさまざまな付加機能も利用できます。
機能名 | 概要 |
脅威対策プロ | マルウェア・トラッカー・広告をブロックして安全なブラウジングを実現 |
ダークウェブモニター | 登録したメールアドレスがダークウェブに流出していないか監視 |
ダブルVPN | 2つのVPNサーバーを経由して暗号化と匿名性を強化 |
スプリットトンネリング | 特定アプリだけVPN経由・非経由を選択できる |
スマートプレイ | 地域制限のある動画コンテンツをスムーズに視聴可能 |
キルスイッチ | VPN切断時に通信を遮断しIP漏えいを防止 |
また、独自の「NordLynx」プロトコルにより通信速度の低下を最小限に抑え、快適な利用を実現しています。
セキュリティ面においても、ユーザーの活動記録を一切保持しないノーログポリシーを徹底しており安心です。
価格・速度・安全性のあらゆる面で優れたバランスを持つNordVPNを、30日間返金保証を利用して試してみましょう。
個人向けVPNサービスに関するよくある質問
個人向けVPNサービスに関するよくある質問は、以下のとおりです。
- 無料VPNサービスは安全?危険性はある?
- VPNが必要ない人の特徴は?
無料VPNが持つ危険性などの疑問点をあらかじめ解消しつつ、本当にVPNが必要な環境か冷静に判断しましょう。
無料VPNサービスは安全?危険性はある?
無料VPNサービスは、セキュリティやプライバシーの観点から多くの危険性を内包しており、利用は推奨されません。
無料VPNの運営者は、利用者の通信データを第三者に販売するなどしてサーバー維持費を賄っている場合が多いからです。実際に利用者の閲覧サイト履歴や個人情報が収集され、マーケティング会社などに売却されるケースも報告されています。
さらに、通信の暗号化レベルが低かったり、アプリ自体にマルウェアが仕込まれていたりする悪質な無料VPNも存在します。無料という言葉に惑わされず信頼できる有料VPNを選択するのが、自分の情報を守るうえでもっとも賢明な手段です。
参考:TheBestVPN.com「How FREE VPNs Sell Your Data」
VPNが必要ない人の特徴は?
主に自宅の安全なインターネット回線のみを使い、フリーWi-Fiなどを外出先で利用しない人にとってVPNは必要ありません。
また、海外コンテンツへのアクセスをしない人にとって、VPNはあまり魅力的なサービスには見えないでしょう。VPNはあくまで特定の目的を達成し、リスクを回避するためのツールであり、すべての利用者に必須ではありません。
まとめ
個人向けVPNサービスは通信を暗号化する技術であり、インターネット利用時のセキュリティとプライバシーを強力に保護します。また、世界中に設置されたVPNサーバーを経由してIPアドレスを変更すれば、海外の動画配信サービスも楽しめます。VPNサービスを選ぶときにはノーログポリシーや、強固な暗号化技術を採用しているかを確認するのが重要です。自分の利用目的やデバイス環境を明確にしたうえで、返金保証制度を活用して最適なVPNサービスを見つけましょう!